2023.04.03
こんにちは!カケソーです!
今回は、約50年前の代表的な屋根材について、それぞれの特徴やリフォームの目安、方法などをご紹介します!
築50年以上が経過した日本の住宅は、現在の建築基準法や生活様式とは異なっている場合が多く、築年数による柱や土台の劣化、耐震性能などリフォームする際も色々注意する部分が出てきます。
今回は、屋根に特化した内容の記事となっていますが、住宅の基礎や土台、柱などに不十分な要素があれば、リフォームではなく建て替えが良い場合もありますので、リフォームの際は専門家の意見も取り入れましょう。
1. 50年前における屋根材の特徴
今から50年前ということは、1970年代あたりになります。1970年代の住宅における屋根材の特徴としては以下のような点が挙げられます。
- 屋根材として用いられる材質は「瓦」「スレート」「トタン」が主流
- 瓦はセメント瓦が中心
- スレートはアスベストを含む化粧スレートが中心
続いて、当時の主流であった「瓦」「スレート」「トタン」それぞれについて解説していきます。
瓦について
1970~80年代あたりに人気だった屋根瓦といえば「セメント瓦」でした。セメント瓦はセメントと川砂を1:2~3の割合で混ぜ合わせてモルタルをつくり、型に入れて成型して乾燥後に塗装した屋根材です。粘土に釉薬(うわぐすり)をかけ高温で焼き上げた「陶器瓦」に比べ、セメント瓦は陶器瓦より価格が安く製造しやすいため、住宅不足が顕著だった高度経済成長期に広く普及しました。セメント瓦の寿命は、カケソーの経験上 35年ほどではないかと思います。
伝統的な陶器瓦と異なり、当時のような成分のセメント瓦は現在ほとんど生産されておらず、新規で用いられることは少なくなりました。
陶器瓦は釉薬(うわぐすり)によって表面がガラスのような層でコーティングされており、お茶碗や湯飲みと同じで表面がツルツルしています。一方、セメント瓦は塗装で着色されているので、セメント瓦は表面がザラザラし、陶器瓦よりも寿命が短く、年月の経過とともに色あせます。
ほとんどの瓦は1cm以上の厚みがあり、屋根材の強度を高めるアスベストを含める必要がないのですが、中にはアスベスト入りの製品もあります。
国土交通省と経済産業省が運営しているホームページでアスベスト含有のセメント瓦が検索できます。
アスベスト入り化粧スレートについて
50年ほど前のスレートは主にセメントで作られた化粧スレートが一般的でした。
当時のスレートはアスベストが含まれていたため、耐久性・断熱性ともに高く安価であったことから、日本の一般的な家屋では主流の屋根材として使用されていましたが、健康被害をもたらすということから2004年に製造が全面禁止されました。
2020年頃から建築物の解体やリフォーム時期のピークを迎え、心配されています。
アスベストは、そこにあると直ちに問題になるというわけではなく、飛び散ること、吸い込むことが問題です。屋根材に使われているアスベストは、セメントと混ぜて固定されているため、砕けたり極端な劣化がない限り飛散することはないと言われています。耐久性は高いものの、寿命は大体30~35年ほどです(カケソー調べ)。
トタンについて
「トタン」とは、薄い鉄板に亜鉛メッキを施した板状の資材で、住宅のほか倉庫や工場にも使われています。トタン屋根は、安価で軽量な屋根材として30~40年前までは重宝されていた半面、サビやすく、厚さ1mm未満の薄い金属でできているため、遮音・断熱効果はほぼありません。1960年代頃に酸性雨が社会問題化する中、アメリカでガルバリウム鋼板が開発され“腐食しない鋼板”として1990年頃から日本でもガルバリウム鋼板が積極的に使われ始め、トタン屋根の需要が減っていきました。トタン屋根の寿命は、 使用環境にもよりますが、5~10年おきに再塗装などのメンテナンスをしていても概ね 15~20年と言われています。
2. チェックポイント
セメント瓦におけるチェックポイント
瓦は耐久性が高く、経年による材質変化も少ないため、長く使用することができますが、気をつけるべきポイントもいくつかあります。
ここではチェックすべき点について書き出してみます。
- 瓦のズレがないか?
- 瓦のワレがないか?
- 瓦のめくれがないか?
- 漆喰の劣化がないか?
上記の要因の多くは、台風などの強風による飛来物の衝突や、地震によるものがほとんどです。瓦のズレや割れ、めくれは雨漏りの原因となるため、早期の修繕が必要です。
漆喰は、棟瓦を固定している消石灰を原料とする塗り壁の部分で、雨が内部に侵入しないようにする役割があります。防水・通気性に優れ、自浄作用があり 汚れにくいのが特徴です。漆喰の寿命は7-10年ほどで、劣化が進むとひび割れを起こし、そのまま放置するとどんどん欠けていってしまいます。欠けたところから雨水が侵入したり、地震の揺れで大きく割れてしまったりするため、早めのメンテナンスが必要です。
化粧スレートにおけるチェックポイント
- スレートにヒビはないか?
- スレートの欠けはないか?
- カビ、藻、苔の発生はないか?
- スレートの色あせはないか?
スレート屋根の塗装が剥がれて防水性が切れると、主成分のセメントが水分を吸収してしまいます。
コーティングされていないスレートは、雨水の吸収による膨張と、太陽光での乾燥による収縮を何度も繰り返し、ひび割れを起こすことがあります。ひび割れが発生すると、その隙間から住宅の内部へ雨水が浸入してしまい、雨漏りのリスクが高くなります。加えて、ひび割れを放置すると割れてしまい、滑落することもあります。
カビや藻、苔の発生もスレート屋根の塗装が剥がれて防水性が落ちてきているサインです。
常に湿気がいっぱいの状態になりやすい日陰の屋根で発生しやすい事象です。
また、色あせもスレートに塗られていた塗料が紫外線などにより劣化している状態で、屋根自体が水分を吸収しやすい状態になっています。
トタンにおけるチェックポイント
- トタンに色あせはないか?
- トタンにサビはないか?
- トタンの穴あきはないか?
- トタンの塗装は剥がれていないか?
劣化の初期症状で、建築から5年程度経つと徐々に色褪せが見られるようになります。この場合、すぐに雨漏りなどの心配はありませんが、見た目が気になる場合は塗装を行うのがおすすめです。
色褪せと同様に劣化の初期症状で、塗膜が膨れて浮いてきたり、剥がれてしまったりすることがあります。塗膜の保護機能が失われるため、放置すると屋根材が雨や紫外線に晒されて劣化が進む原因になります。
部分的な錆は初期症状として多くあります。一度発生すると広がりやすく、屋根全体に及ぶこともあるため注意が必要です。
3.リフォーム方法
瓦屋根におけるリフォーム方法
50年前に主流であったセメントと川砂で作られたセメント瓦は、現在 ほとんど生産されておらず入手困難な屋根材であるため、瓦を部分的に張り替えることはほぼできません。そのため、部分補修するとしても強力な粘着テープやシーリングで接着補修する程度のことしかできません。
セメント瓦のリフォーム方法としては主に2通りで、屋根の状態によって対処法も違いますので、それぞれについて説明していきます。
1. 塗装
2. 葺き替え
【塗装】
セメント瓦のメンテナンスとして、美観維持のために再塗装を選択される方も多いです。
高圧洗浄機でセメント瓦にこびりついたコケなどの汚れを取り除き、高圧洗浄で取れない部分は職人さんが手作業で汚れを取り除きます。その後、割れや欠けた部分を接着補修し、ずれている瓦は葺き直します。最後に、塗装を繰り返し(基本的に3度塗り)キレイな状態に仕上げます。
セメント瓦の一種で、セメントと川砂を主成分とした「モニエル瓦」といったものも存在します。このモニエル瓦は、塗膜の部分にスラリー層とよばれるセメント成分の保護層があり、スラリー層を綺麗に取り除かずに上から再塗装を行うと、古いスラリー層と一緒に塗膜が剥がれてしまいます。 そのため、入念に高圧洗浄を行いスラリー層を完全に除去しないと、施工不良の原因にもなります。また、スラリー層の除去はかなり大変な作業であるため、通常の屋根塗装と比べて費用がかかります。
一方、陶器瓦は再塗装の必要がありません。
【葺き替え】
葺き替え工事とは、既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に張り替える工法です。
下地部分も補強するため内部劣化の補修もでき、機能性も高まるといったメリットがあります。その反面、高額のアスベストの処分費用が発生し、工期も長くなるというデメリットもあります。また、飛散する可能性があるので資格を持った専門業者による作業が必要になります。
瓦屋根は他の屋根材に比べ重いため、耐震性や機能性を考慮すると葺き替え工事がおすすめです。現在、セメント瓦のリフォームは、ガルバリウム鋼板やアスファルトシングル、軽量瓦への葺き替えが一般的です。ガルバリウム鋼板などの金属屋根は、軽量でメンテナンス性能が良いことで普及が進みました。
「瓦屋根のまま、和の雰囲気は変えたくないけど耐震性が心配・・・」という方には軽量瓦がおすすめです。最近人気が高まっている屋根材「ルーガ」は、従来の瓦の半分以下の重さで、耐久性が高く割れにくいのが特徴です。セメント成分に繊維樹脂と気泡を含めた新しいタイプの屋根材で、従来のセメント瓦を改良させた屋根材といえます。
化粧スレート屋根におけるリフォーム方法
1. 塗装
2. カバー工法
3. 葺き替え
【塗装】
劣化が始まる前なら塗装もできますが、劣化が進行していたり雨漏りしているようであれば塗装はできません。塗装はあくまでも壁材をコーティングする意味合いで施工するものであり、外壁の保護効果を永久に持続できるわけではありません。塗装のはがれなどが発生した場合は定期的な塗り直しが必要です。
【カバー工法】
カバー工法とは、既存の屋根の上から新しい屋根材を張るリフォーム方法です。その構造から、別名「重ね張り」とも呼ばれています。アスベスト屋根材の高額な処分費を抑え、アスベストの飛散防止にもなることから、アスベスト入り屋根材のリフォームにはカバー工法がおすすめです。
【葺き替え】
前述したように、扱い方を間違えなければそのまま使用し続けても問題のないアスベスト入りスレートですが、アスベスト自体を完全に撤去して安心して暮らしたいという方には葺き替え工事も良い選択といえるでしょう。ただ、アスベスト屋根材の処分には、取り扱い資格も必要であるなど、取り扱いの難しさに加え、通常の屋根材の処分費に比べ約3~4倍と費用も高額です。
トタン屋根におけるリフォーム方法
トタン屋根の寿命は、環境にもよりますが概ね15~20年程度といわれています。また、5~10年に1度は塗装などのメンテナンスが必要です。
1. 塗装
2. カバー工法
3. 葺き替え
【塗装】穴あきや雨漏りなどのトラブルにまで至っていない場合は、屋根の塗装も可能です。ただ、塗装自体に屋根の異常を直す効果はほぼないので、もしトタン屋根のヒビや穴を直したい場合には、塗装ではなく屋根の部分修理をリフォーム業者などに依頼しましょう。錆が進行すると腐食による穴あきが見られるようになります。ここまでくると塗装をしても意味がないため、カバー工法や葺き替え工事などのリフォームをするのがおすすめです。
【カバー工法】ボロボロと崩れるほど重度のサビがあるような状態でなければ、カバー工法(重ね張り)を行うことも可能です。既存の屋根の上に野地板→防水シート→軽量屋根材を重ねる工法です。使用する屋根材はガルバリウム鋼板やアスファルトシングル、軽量瓦などがあり、葺き替えに比べると安価となるため、少しでも予算をかけずに工事を行いたいという方にもおすすめの工法です。
【葺き替え】トタン屋根自体も、トタン屋根のすぐ内側にあるルーフィング(防水シート)も、築25~30年で寿命を迎えます。防水シートが防水機能を果たさなくなるとすぐに雨漏りをするため、そうなってしまう前に葺き替え(もしくはカバー工法)をおすすめします。トタン屋根がボロボロと崩れるほど重度のサビがある場合は、築年数にかかわらず、屋根の葺き替えをおすすめします。
今回は、築50年の住宅屋根についてまとめてみました!
リフォームの参考になれば幸いです😊
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